終話、高校生編-2
ブブブブ!
スマートフォンが不意に鳴る。
ついに日本にも緊急事態宣言 都内付近のパチンコ屋は営業を全面的に自粛するらしい
「マジか… 最寄りのパチ屋もしまったらどうしようかな… まぁ今は打ちにいけないけど!」
そう、今 俺は500円玉を握りしめてタバコを買いに行く途中なのである。
タバコも子供の頃は300円台だったのに今となっては500円を超える。ブラックデビルが販売中止になった時は驚きを隠せなかった。
個人的な話だが女がタバコを吸っているのは好きではない。そもそもだが俺は女が好きではない。同性愛者ではないし自分の恋愛対象や性行為の対象は女性だ。しかし女は嫌いなのである。それは18歳くらいから今までの出来事による。
高校編
当時、高校生の俺は割りかしなんでもそつなくこなしてしまう為 他人からの評価も悪くなく 当時は軽音楽部に所属しドラムを演奏していたのだが割とモテていたのである。
俺は学校で1番可愛いと思っていた 恵美という同じクラスの女子がいた。
俺は恵美と付き合いたい!と思っていたが、恵美は男勝りな性格でそもそも恋と言うものに興味がなさそうに見えた。高飛車で男勝りな美少女JKを俺は攻略する為にまず、恵美がいつも仲良くしている2人グループの亜衣と晶と仲良くする事にした。
亜衣はいわゆる漫画系の乙女と言った感じで少し抜けていて鈍臭いが憎めない所がある。
晶は僕っ子で読書が好きな落ち着いたクールタイプだった。
恵美、亜衣、晶は常に3人でグループになっていていわゆるイツメンというやつだ。
俺はアニメの話だったり、音楽の話をよく亜衣や晶としていてそこに恵美が興味なさそうにしている様な感じだったが まず恵美に俺という存在を認知させる所から始めた。
ある時の昼休み、俺は友達の靴袋に麻雀牌を入れて積まなくても麻雀が出来てしまう時短麻雀をしている時だった。
「なぁ、船ちゃん」
船ちゃんは俺の麻雀友達で悪友である。
「なに俺くん。」
「船ちゃんて恵美と仲良いじゃん?」
「仲がいいって言うか、僕は誰とでも話すだけだけどねー」
「それ、チー! で、船ちゃんにお願いがあるんだけど恵美に俺が恵美の事が好きらしいって言う情報を流して欲しいんだよね」
「なんでわざわざそんな事すんの?恵美ってそう言うの嫌いじゃない?」
「恵美にとって俺ってただの空気と同じなんだよね。好きとか嫌いじゃなくて無なんだよ。だからまずは何でもいいから感情持たれたいんだよね。」
「よく分からないけど、とりあえずその話しておくよー はい。それ俺くんロンね。5200」
「料金先払いか… しかも、何でそんな役なの…」
こうして俺はグループの仲と外堀から情報で埋めていく二重の戦略で恵美攻略を仕掛けるのであった。
船ちゃんに情報を漏らして貰ってからと言うもの、俺が恵美のグループに近寄ると恵美はイラついた態度を取ったりグループから席を外す様になった。
「どうしたんだろね?恵美…」
亜衣も晶も不思議そうにしていたがそれは最初だけで恵美から聞いたのか その関係性を理解していった
すると、何故だか分からないが3人はグループを作るのをやめて個々に2人になったり常に3人でいる事は無くなった。
俺は疑問に思い亜衣や晶に聞いてみた。
「最近3人でいないけどなんかあったの?」
「いや、別になんとなくだよ?それより俺くん… この前貸して貰った動物の森なんだけど…… データ上書きしちゃったんだよね⭐︎」
俺は一瞬にして手塩にかけてきたデータが消えたという事実を受け入れらなかった
まさに走馬灯、事故というのはこうやって起きるのだ。
自分の人生という時間をつぎ込んだ大切な何かがある日突然形を消してしまう。こんな暴力があって許されるのだろうか。
いや、許されるはずがない。誰が許しても俺は許せない。
「そ、そうなんだ。まぁ仕方ないよ」
その日以来、大切なものは人に貸さない事に決めたのであった
そんな時に亜衣から
「俺くん、聞いて欲しい話があるんだけど 一緒に帰らない?」と誘われた。
「いいよ!じゃあマクドにいこっか!」
俺は割と色々な人から相談をされる事が多かったし、グループの仲が悪い事についてかな?となんの疑いもなく亜衣の相談に乗るために帰り道にあるマクド行く事にした。
この後、名言を自分が言うとは思っていなかったのである。
続く